会長挨拶

全国イノベーション推進機関ネットワーク会長 岸 輝雄

全国イノベーション推進機関ネットワーク会長
岸 輝雄(新構造材料技術研究組合 理事長)

 

全国イノベーション推進機関ネットワーク(以下「イノベーションネット」)は、故堀場雅夫氏により2009年に創設され、2015年からは吉川弘之氏に会長職が引き継がれました。その創設の狙いは、産業支援機関や産学官金における地域や組織の垣根を越えた連携の促進、支援人材の育成・交流等を通じて、新事業の創出や創業を促進すること等により、地域の稼ぐ力を増進することにあります。

このたび2020年9月から、私が会長に就任することになり、大変光栄に感じております。私はもともと、大学では金属やセラミックスなどの材料工学を専攻してきましたが、専門領域の研究活動に加えて、科学技術・学術政策の立案や推進や、アカデミアと産業界との共同研究やその橋渡し等にも取り組んでまいりました。イノベーションネットの活動にも2015年から参画し、アワード表彰事業の審査委員長を務めさせていただきました。

さて、イノベーションネットにおいては、「地域からのボトムアップによるイノベーションの促進」という基本的な考え方に基づき、経済産業省、文部科学省、農林水産省などの関係省庁のご支援の下、地域の産業支援機関・学術研究機関・金融機関・公設試験研究機関等の緊密なネットワークを構築し、その連携・協力を進めてまいりました。また、アワード表彰事業を通じた優良な地域発のイノベーションプログラムの発掘や発信、イノベーションに関する国や地方の政策情報や様々な事業活動の発信などにも取り組んできたところであります。今後とも、地域でイノベーションを担う多くのプレーヤーによる「ネットワーク機能」を充実させて、「全国大の有用なネットワーク」を構築してまいります。

直近では、新型コロナウイルス感染症の拡大が地域経済に多大な影響を及ぼしている状況ですが、こうした難局を乗り切るためには、やはり地域発のイノベーションがますます重要になるものと考えます。新型コロナウイルスによる地域経済の変化も踏まえた上で、これまで以上に国・関係機関・自治体等との連携を強化して、新たな挑戦を進めてまいりたいと考えております。

皆さまと共に、地域イノベーションを進め、稼げる事業の創成を支援していくことで、地域の自立化に貢献していきたいと思いますので、イノベーションネットへのご協力をよろしくお願い致します。
 

2020年9月29日